メロディが浮かばない

「どうすればメロディが思い浮かぶのか」というご相談について。

 

いくら理論を学んでも全然メロディが思い浮かばない。どうすればいいですか?とのことなんですが、

 

身も蓋もないことを言えば、ワンフレーズも浮かばないなら作曲は向いてないだろうなと。ただ、逆に理論から創作していくことも可能なわけで、あまり頭デッカチにならずに作ってみて欲しいとも思います。もっと身も蓋もないことを言えば「曲なんて好きなように作ればいい」が自論です。

 

ところでクラシック出身者が陥りがちなのが、「平行8度や隠伏等の和声法の禁則を侵してはならない」という思い込み。いいからとりあえず好きに作ってください。和声法の禁則はあくまで和声法の理論。一旦、和声やコード理論は横に置いて、まずは「8小節」でいいのでメロディを捻り出してみてください。童謡「チューリップ」よりも4小節短い8小節です。

 

何にでも言えると思いますが、いきなり壮大な創作をしようと思うから心折れる。少しずつでいいんです。

 

ただ、ピアノはあるとbetterかな〜。別にグランドピアノにする必要は全くないです。(ピアニストを目指すならグランドピアノ必須らしいですが)とにかくMIDI鍵盤でも充分なので、「すぐに音程が確認できる機器」があると良いです。

いろいろ遊べて使えるCPを使用してます↓

jp.yamaha.com

 

で、何かしら音を出して、あとはやっぱり「手書きで音符を書く」っていうのも大事だとは思うので(マストではないですが)、「音符をきれいに書く」練習もしてほしいですね。私は字も楽譜もあまりきれいではないので、人のことは言えないですけど。

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Campusの五線紙は切り取りも出来て使いやすい

その後でProToolsなりCubaseなり好きなの使ってMIXしようが、All 手書きで作成しようが、いずれにせよ立派な作曲です。(個人的には手書きのほうが感動する)

 

なんの参考にもならないお話をすると、私の場合よく夢の中で「降りてくる」(笑)ので、目覚めた時に忘れないように何度も反復して、結局眠気に勝てず忘れることが多いです(笑)。

 

不思議なもので、その何日か後に突然思い出したりするので、その時は必ず音程を確認して楽譜にします(眠くなければ(笑))。別に何小節、という決まりはありません。思いついたぶんだけ、とにかく記録します。自分で歌ってみてスマホに録音でも充分。あとで浄書すればいいと思います。調性も気にしない。あとでいくらでも好きに移調すればいい話。その辺はDTMerはお得意な分野ですよね。

 

作曲時、私は基本的にはピアノを使いますが、「実音を確認したいから」という手段に過ぎない。ギターであれ管楽器であれ、得意な楽器で作ってみるといいと思います。

 

とりあえず、8小節、作ったら肉付けはその後で。

 

音楽の三要素といえば、リズム・メロディ・ハーモニー。メロディが思い浮かばないなら、リズムから、ハーモニーから作るという方法もあります。私は単音楽器から始めたので和声聴音が苦手ですが、その分単旋律のほうが先に思いつきやすい。だいたいは「先にメロディ→コードは後で」というパターンです。これはもう「人によりけり」なので得意なところから攻めていってもらえれば。

 

移調楽器を演奏していると、ピアノ専攻から「楽譜が実音と違くて気持ち悪くない?」と聞かれたりしますが、なんというかもう「それはそれ」って感じなので別に気持ち悪くはないです(笑)。そう考えると、意外と「絶対音感持ち」って大変そうですよね。

 

ところで、理論から作るには?

日本人の大好きな「ヨナ抜き音階」。米津玄師さんの「パプリカ」が大ヒットした時、「この曲はヨナ抜きで〜」というネット記事が溢れましたが、まあ確かに馴染みやすくて聴きやすいですよね。ちなみに前述の童謡「チューリップ」もヨナ抜きです。ビートルズの「Let it be」もヨナ抜き。

ヨナ抜きについては散々説明を目にされてるかと思うので、詳細は省きます。

 

で、「ヨナ抜き音階で作ってみよう!」という作り方ができるわけです。使用している音がわかれば、あとは決まりに則って作っていく。そういう方法もあります。

そんな感じで作ったのが、こちらの曲

soundcloud.com

 

とかく「アイディア一発勝負」に思われがちな世界ですが、理論も大事。ちなみに↑の曲は正確にはマイナーペンタトニックなんですが、「ヨナ抜きの一種」と思ってください。

 

私はせっかく学んだことは無駄にしたくないタチなので、使えるものはとことん使っていきたい。「閃きだけで作れる」ということのほうが、実は少ないです。

 

ぜひ、いろいろ作ってみてください。あわよくば聴かせてください(笑)。講評はするつもりはありませんので!